【映画】『世界にひとつの金メダル』を観賞の巻【速報】  

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本日、2017年6月17日公開初日の『世界にひとつの金メダル』を見てきました。少々ネタバレも含みますので、それでも良い方だけ読んでくださいね。

この映画は1980年代のフランス馬術選手だったピエール・デュランの人生を描いた実話です。馬術指導者である父の期待に応えることを一度は諦め、エリート弁護士の道に進みだしたピエール。けれど、一頭のじゃじゃ馬…しかし、すばらしい跳躍力を持ち、後にフランスで伝説的な名馬となる『ジャップルー』と出会い、そこからまた彼の馬術人生が動き出します。

私がこの映画を見て、印象に残ったところは大きく以下の3つでした。

まず一つ目は、映像から馬の躍動感と力強さを非常によく感じられたこと。『馬のうえに乗っているだけでしょ?』と思われがちな乗馬、馬術競技のイメージを一瞬で覆す威力がある映像と音でした。そして『映像の美しさ』と『馬そのものの美しさ』が相まって、ストーリーを抜きにしても見返したいシーンがたくさんありました。フランスの田園風景の中を駆け抜ける馬も、競技場で鮮やかなジャンプを決める馬も本当に美しく、馬の魅力を存分に知る人(引き出すことができる人)が撮った絵なのだろうと思いました。

二つ目は特段イケメンでもないピエール(失礼!)が内面の成長を重ねるごとにとてもかっこよく見えてきたことです。名誉に執着し、ジャップルーのことを理解しようとしていなかったピエールが、自分よりずいぶん若い厩務員に一喝されたり、幼いころから馬術選手仲間であった妻に一喝されたり(一喝されてばっかりですね…)しながらようやく目を覚まします。そして、少しずつピエールの心が成長するとともに、彼の見た目も魅力的になっていくように感じました。私が自分の都合のいいように脳内変換したのでなければ(笑)、演技と演出の賜物だと思います。

最後はピエールのお父さんが息子のソウルオリンピック優勝を見届けることなく、つまりは彼の心の成長を知ることなく突然亡くなってしまうところです。他の映画やドラマにもこういうシーンはたくさんあって、そのたびに私は『亡くなった人にもきっと届いているよ。ちゃんと見ているよ。』などと呑気に思っていたのですが、この映画についてはどうしてもそうは思えませんでした。『ああ、間に合わなかったな…』と冷静に思いました。多分それは、父との確執と呼ばれるものがすごくドラマチックであったかというと、そうではなくて非常にリアルなものだったから。このあたりの表現は主演俳優、脚本家、監督に理由がありそうです。

ここまでに書いたことがどうしてこの映画で実現、表現できたかというと、ピエール役を演じたギョーム・カネは元馬術選手で脚本家でもあり、主演を務めながら(しかもスタント無し!)本作の脚本も担当していること。また自らカメラを回したクリスチャン・デュゲイ監督も馬術競技の元カナダ代表でもあることが大きいのでしょう。この二人は家族が馬産業関係者であることもピエールと共通しています。馬の魅力を存分に伝えることはもちろん、馬術指導者を父に持つピエールの気持ちにも深く寄り添うことができたのではないかと思います。(余談ですが、ピエールの奥さん役のマリナ・ハンズとギョーム・カネも14歳から馬術の試合などで顔合わせる仲間だったそう!)

もっと馬術に精通している人が見ると違う感想があるかもしれませんが、馬術を知らない人にとっては馬術界のことがとてもわかりやすく描かれている映画です。2020年には東京オリンピックも開催され、馬術も種目のひとつとなっています。是非、馬術のことを知らない人と一緒に見ていただき、少しでもみんなで日本の馬術を盛り上げるきっかけを作れたらうれしいです。

≪世界にひとつの金メダル公式サイト≫


http://sekakin.com/
(ドメインがセカキンなのは、ちょっと笑いましたw)

★BALOG★

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